北野邦生作:つばくろのぼうけん(放送劇)
でてくるもの
つばくろぼうや
おとうとつばめ
いもうとつばめ
ひばりのおじさん
からすのおばちゃん
のらいぬ
*そよかぜとことりのさえずり。
*つばめのなきこえ。
つばくろぼうや:みなさん、こんにちは。ぼく、いなかにすんでいる、つばめのつばくろぼうやです。もう、すっかりあったかくなりましたね。こう、あったかくなってくると、どうも、いえのなかでおとなしくしてるのはばからしくて、なにかおもしろいことをやってみたくなります。あのね、ぼく、こっそり、すをぬけだして、ぼうけんのたびにでようかとかんがえてるんだよ。え? だまってすをぬけだしちゃ、おかあさんつばめがしんぱいするって?だいじょうぶさ。きのう、おかあさんから、とびかたをおそわったんだ。きょうだいのうちで、一ばんじょうずにとべたんだから。それにね、ぼくはちょうなんで、きょうだいのうちでは一ばんとしうえだろう? だから、すこし、あにきらしく、かんろくをつけなくっちゃ。ぼうけんりょこうしてきて、おとうとやいもうとたちに、じまんばなしをしてやろうとおもうんだ。なに? やめたほうがいいって?そんな、ばかにしないでくださいよ。このつばくろぼうや、いじでもやってみせます。まあ、二、三にちまっててください。おみやげばなしをたくさんもって、かえってきますから。いまが、ちょうどいいチャンスなんです。おかあさんが、えさをさがしにでかけておりますから。じゃ、みなさん、いってまいります!
*はげしいこつばめのなきごえ。
おとうとつばめ:あっ、おにいちゃん、どこへいくのーっ!
つばくろぼうや:さよならーっ。ぼうけんりょこうにいくんだよーっ。