子どものための劇:大人になったら(一幕三場)・・・一部公開

北野邦生 作  大人になったら  一幕三場 

 

出る者 
・警察官   コメディアン デザイナー
 建築家 パイロット バスガイド
 コック ドライバー ウエートレス
 大工 美容師 保母
 看護師   商店     スチュワーデス
  (右の職業を希望する六年生の男女児童)
・担任の先生
・男の声

 

小学校六年の教室の中。
黒板に、「先生が来るまで自習をしてください。絵『大人になったら』」と書かれてある。

 

     一場

 

全員が絵を描いている。

 

警察官:出来たぞ、警察官。
建築家:世界的に有名な建築家、只今誕生。
コック:お料理のことなら任しとき。コックだよ。
大工:僕は、大工さんだ。
パイロット:やったぞ。あこがれのパイロットだ。
コメディアン:ここだけの話ですけどね、僕、コメディアンになりたいんです。
ドライバー:僕は、ドライバー。ネジ回しのことじゃないよ。
美容師:美しくなりたい方は「ひまわり美容室」にどうぞ。
デザイナー:パリから帰ったばかりの、ぱりぱりのデザイナーでございます。
看護師:何よりも大切なのは人の命、私は立派な看護師になりたい。
商店:安くて良い品がたくさん並んでいる、素晴らしいお店を持ちたい。
バスガイド:皆様、この度は「青空観光バス」をご利用いただきまして、まことにありがとうございます。
ウエートレス:私は、きれいなレストランのウエートレスです。いらっしゃいませ、何になさいますか?
保母:さあ、みなさん、お昼寝のじかんですよ。
スチュワーデス:皆様、この飛行機はハワイまであと一時間ほどでございます。