子どものための劇:ロボットがほしい(一幕)・・・一部公開

北野邦生 作 ロボットがほしい  一幕

 

出るもの
   五郎(小学校四年)
   五郎の母
   ロボ1、2、3、4、5、6、7、
     8、9、10、11、12、13、14号

 

五郎が、茶の間の小さな机に向かって、勉強をしている。

 

五郎:ええと、「T小学校の四年生は六十三人です。一つの長いすに七人すわります。いすがいくつあれば全員すわれるでしょうか」だって・・・あーあ、さっぱりわかんないや。
母の声:五郎。宿題がすんだら、お使いに行ってちょうだい。
五郎:まだ、終わらないよ。国語だってあるんだもん。
母の声:そんなにたくさんあるの?
五郎:あるとも。ぼくたちの先生、毎日、宿題を山ほど出すんだ。あーあ、まったくいやんなっちゃう。

 

五郎はねそべって、マンガの本を開く。

 

母:まあ、宿題だなんて、マンガ読んでるのね。

 

五郎は、はねおきて、マンガを机の下にかくす。

 

五郎:うそじゃないったら。
母:さあさあ、マンガ読んでるんだったら、お使いに行ってちょうだい。
五郎:ほんとだよ。ほら、算数はここ全部だよ。国語の感想文だってあるんだもん。
母:本当にそうなの?